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バレエと怪我、クラスのレベルについて。そして講師、トレーナーの仕事について。

バレエとは「コントロールされた美しさ」であると想います。

 

何をコントロールするのか。

それは 重力をコントロールすることです。

 

本来重いものが宙に飛んだら落ちること。

落ちるスピードもだいたいに見慣れたものであり、落ちたらそれ相応の 音がすること。

重さに対して降りる順序、スピード、衝撃をコントロールすることであたかも重力がないようにコントロールすること。

 

コントロールとは関節のコントロールを意味しています。

関節は骨であり、それを動かしているのは筋肉です。

筋肉を動かしているのは脳であり、その他多くの神経系でもあります。

 

重力と神経。

 

もしコントロールされていなかったとしたら、飛び上がったものは落ちてくるし、衝撃音が鳴り、回転したものは遠心力によってバラけていきます。

またその摩擦によって捻じれが生じます。

衝撃音や摩擦、それは関節や骨のダメージを意味しています。

 

バレエにおいて美しさと健康が一致している部分がこの「コントロールされた身体」にあります。

そして、このコントロールする技術を学ぶのが「基礎クラス」であると想います。

それより先のクラスはコントロールされた身体のスピードと幅を大きくする作業であって、あくまでも基礎を軸にして広げていく作業でしかないと考えるならば、基礎の身についていない身体、コントロールされていない身体でそれ以上のレベルのクラスを受けること、それ以上のスキルを要求される踊りを踊ること自体が無理であり、怪我をする理由でもあります。

 

バレエで求められる「引き上げ」、「ターンアウト」はこの重力と身体のコントロールに関してのスキルです。

それが出来ていないなら、怪我をしても当然かも知れません。

なぜなら「コントロールされていないから」です。

アクセルとブレーキを間違えること、アクセルを踏む強さを間違えること、ハンドルを間違えて切ること、それぞれにコントロールされていない運転技術がもとで事故になります。

身体も同様です。

その典型例が身体の重さをしっかりと支え、着地をコントロールするのに必要な技術である「プリエ」です。

 

また、バレエには柔軟性が一番に必要です。

その次にその身体をコントロールする技術、そして関節や骨を守る為の筋力。

ハンドルを回す角度を増やし、アクセルを強く踏み込めるようにすること。

また、その速度に対してのブレーキの強さとブレーキを優しく掛けていく技術。

それぞれを使いこなすには繊細な身体のコントロールが必要です。

 

クラスを構成する際に最も必要なことは、この「バレエを踊る為に必要な身体のコントロール」に関する技術をしっかり叩き込んでもらえるよう考え、伝えることです。

教師やトレーナーが一番初めに伝えなければならないのは「安全な身体の使い方」についてです。