「上達する」ということ

それはバレエだけに関することではありませんが、「上達する」ということはどういうことでしょうか。

 

クラシックバレエが踊れるようになる、「上達する」にはレッスンをしなければいけません。

レッスンをし続ける限り、そのペースが例えゆっくりであっても上達していくと僕は想っています。

 

では「上達しない」という状態はどんな状態でしょう。

それはレッスンしない、ということです。

レッスンをしなければ、上達もあり得ません。

 

レッスンをし続ける。

それこそが唯一上達に向けたアプローチです。

 

ですが、その「上達=レッスンをし続ける」ということが出来なくなる時があります。

レッスンし続けることが出来ない状態。

仕事や家庭の事情で止む終えないこともありますが、一番身近に起こることでいうと「怪我」をするとレッスンが出来ない状態に陥ります。

怪我はある程度自分で気をつけることが出来ます。

そして、怪我をする要因はいくつかあります。


1)日常生活、またはレッスン中における事故(転倒や人とぶつかるなど)

2)オーバーワーク(レッスンのし過ぎ)

3)テクニックの間違い


大きく分けて以上のような3つだと想います。

1)は。気を付けても起きてしまうこともあります。

そして、コントロールの出来ないことでもあります。

集中して行うことはもちろんですが、運ということもあるでしょう。


2)は。自分の身体の今の状態を知ること。そして何よりも無理をしないことです。

「今無理して頑張って、この先踊れなくなる」のと、「今無理をせず、この先ずっと踊れる」ではどちらが良いでしょうか?

怪我をしたら何週間、何ヶ月、時には何年も踊れなくなります。

今まで積み重ねてきたことが、また元に戻ってしまうことでもあります。

そして、怪我をすると気持ちが落ち込み、焦りも出てきます。

負のスパイラルが起こるのです。

とにかく焦らない、無理をしない。

そのことを心がけましょう。

何か時間に限りがあるならば、頑張らなければならないこともあります。

その時間の限りというのは年齢のことではありません。

コンクールや舞台、オーディションなどのことです。

舞台までのリハーサル期間を考えて舞台を選ぶことも、長く踊っていく上では必要です。

基本的にバレエの作品は20年、30年ほとんど毎日レッスンし続けてきたプロダンサー達が踊るように出来ています。

ですので、ほんの数年のレッスンだけで踊れるようには出来ていません。

そのことをしっかりと受け止め、基礎を固め、じっくりと練習していく必要があります。

レッスン量を考えて行うこともまた怪我をせずに踊り続けること、上達し続けるには必要なことです。

身体が無理と言っているのに、心の満足を得る為に、身体を引き摺り回している方も少なくありません。

痛みや疲れで集中も出来ない中で行うレッスンに何の意味があるでしょう。

前日の暴飲暴食で胃もたれしている日に、また無理やり大盛りの定食を食べにいくようなものです。

まずは身体を休めましょう。

そして、自分にあったペースでレッスンを行うようにしましょう。

バレエのレッスン以外で出来ることでバレエのレッスンに繋がることも沢山あります。

ジャイロキネシスはもちろん、ヨガやピラティス、ランニングや水泳ももちろん良いです。

ただ身体を休めるだけでなく、スポーツの世界では「積極的休養」という考え方も一般的になってきていますので、ぜひ参考にしてみてください。


3)は、バレエでいう「ターンアウト、引き上げ」です。

股関節から始まり、腰、膝、足首などの痛みや外反母趾などの原因のほとんどは「ターンアウト」のテクニックの間違いです。

テクニックというと回転やジャンプと思いがちですが、ターンアウトこそ、クラシックバレエにおける一番根本であり基本のテクニックです。

つま先と膝の方向が合っていない状態、無理した足先だけのターンアウトを行ってレッスンをし続けると、確実に膝を壊します。

今は良いと想っていても、長年続けていくことで、膝の変形性関節症に繋がっていきます。

バレエのテクニックの間違いで身体を壊すと、それはバレエの時間だけでなく、日常生活でも支障が出てきます。

「正しいテクニックを身につけること=長く踊ること=健康」といっても過言ではありません。

バレエの正しいテクニックは、身体に無理をせず踊ることでもあるのです。


今、クラシックバレエをされていて身体に痛い箇所がある方は、2)と3)について良く思い返してみてください。

皆さんが「上達したい」と切実に願っていると想います。

まずは健康であること、そしてレッスンをし続けることが出来れば、例え週に1回のレッスンであっても確実に上達は出来ます。

焦らないこと、無理をしないことを忘れずに、今踊れる環境と身体、元気があることに感謝して、日々のレッスンを思いっきり頑張ってください。